こんな愛の物語

 

冒頭。血の滴るナイフを手に持って呆然とたたずむ美紗緒。目の前には倒れて胸から血を流している砂沙美。そう、美紗緒は砂沙美を刺してしまったのだ・・・

砂沙美ちゃんが悪いんだ。あたし(美紗緒)を捨てて魎皇鬼なんかと生きようとしたんだから・・・

約束したじゃない・・・あたしたちはずっと一緒だって・・・

いつからすれ違いが始まったんだろう・・・昔は全てを分かり合うことができたのに・・・

あたしは砂沙美ちゃんとの約束を守ろうとした。るーくんの告白だって断ったし、砂沙美ちゃん以外に友達も作らなかった。でも、砂沙美ちゃんは違った・・・砂沙美ちゃんは友達が多かったし、魎皇鬼という恋人もいた。でも、あたしはそれでも構わなかった・・・砂沙美ちゃんがあたしことをずっと好きでいてくれるなら・・・

しかし、床に倒れている砂沙美は何も答えない。ときおりピクピクと痙攣するのは、何かを訴えかけているのだろうか?

もう、砂沙美は助からないだろう。でも、これで良かったのかもしれない・・・これで自分は何も心配しなくて良いのだから・・・

いつだって砂沙美は自分の腕の中から飛び出そうとした・・・いや、一度として自分の腕の中で大人しくしていたことなどなかったのだ・・・

砂沙美ちゃん・・・美紗緒は微笑むように床に倒れてい砂沙美を見つめている。ずっと一緒だよ・・・

*****おわじ*****

 

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