おにいちゃん×ターニア(タイトル未定)



*******ある日の夕方


ターニア、どうしたんだい?今日は少し変だよ?

え?....そ、そうかな?(汗) そんな事ないと思うけど。

ほらほら、そう言いながらまたスープに蜂蜜なんか入れて…大丈夫かい?

あ.... や、やだ....(顔を赤らめて) ご、ゴメンね、今作り直すからっ!

いや、いいよ。これはこれで美味いかも…(味見して)う゛っ

.......だから今作り直すって言ったのに......大丈夫?

でも、せっかく久しぶりにターニアがボクのために作ってくれたんだから…

だからこそ、おにいちゃんにとっておき食べて欲しいんだよ。....だからもうちょっとだけ待ってて.....ね?(にこっ)

(ぽッ)あ、ああ…ごめんよ、ジャマして。

(不意にすっと密着して)おにいちゃん.....

(どきっ)…ど、どうしたんだい?今日はほんとに変だよ?

.....え?何が?ほつれ糸がついていたから取ってあげようと思っただけだけど?ほら?

(がくっ)あ…そう…ははは…ありがとう……(溜息)

???.......今日のおにいちゃんも少し変だよ? でも....これで一緒だね♪

ははは…そうだな、二人とも変……えっ?(ということは?)

それじゃスープ作り直すから待っててね♪(くるり)

あ…うん…。(やばいなあ、オレもおかしいよ…何妹に対してトギマギしてるんだろう…)

(....おにいちゃん.....)え、えーっと.....(手がしどろもどろになっている) ......おかしいなぁ?

やっぱりランドの奴が変なこと言うから気になっちゃってるのかなあ…(独り言)

(そう言えばおにいちゃんも何か今日は変だよね.....?何かあったのかな.......)   (ぼーっと考え事をしつつ砂糖の壺の蓋を開ける)

ちょぉっとまったぁあああ!!!(後ろからがしっと手を掴んで止める)

え?(汗)どうしたのおにいちゃん?

ダメじゃないか、砂糖壺から直接入れたりしちゃあ…(後ろから抱きついたかっこうのまま、フタを閉めて棚に戻す)

ち、ちょっとおにいちゃん.....(かああっと真っ赤になる)

そうだな…子供の頃はこんなの平気だったのに…。お互い、大人になっちゃったってことかな?ははは…

そうなの....かな?

大人っていえば、お前……どうするんだい?…ランドのこと…

え? .....ううん。まだよく分からないから.......

そうか…(ほっ…じゃない!何を安心してるんだ?!)どうして?わからないってことは、断ってもいないんだろ?はっきりしないとランドが困るよ。

.......うん。だけど.....まだよく分からないの。.....自分の気持ちが。

嫌いじゃないんだろう?あいつのことは。

うん.....でも.....でも.....(そのまま俯いて黙りこくってしまう)

ターニア…(そっと肩を抱いて)ボクのことだったらもう心配いらないんだよ?多分…このままずっと旅をしながら暮らすことになりそうだし…

.......それでもおにいちゃんは帰って来てくれるもん。昔みたいにいつも一緒じゃないかもしれないけど......

うん…でも、ボクがいない間ターニアが一人でいるかと思うと、……

大丈夫だよ。.....寂しくないって言ったら嘘になるけど。でもね......私.....

ん…なんだい?

私......(そのまま黙って) .....ねぇ、おにいちゃん今好きな人....いる?

えっ……うーん、好きっていうのかなあ…いや、まだわからないよ。

そうなんだ.....実はね、私も.....なんだ。だから.....まだはっきりしないの。この気持ちがなんなのか、私はどうするべきなのか......あはっ(無理に笑う)

ターニア…(不意に抱きしめる)

.....おにいちゃん.....やだ、またドキドキしてきた.....

そんなに深く考えなくても、お前はお前のやりたいようにすればいいんだよ?

......うん。それじゃもう少しだけ....こうしていてもいい?

え…(汗)……うん、お前がそうしたいんだったら…

ありがとう。.....何だかこうしていると安心する.....昔はこうしておにいちゃんが側にいることが当たり前だったのに.....今は違うもんね.....

うん、そうだね……。なあターニア、もし…お前が、帰ってきてほしいって言ったら、ボクは……

(首を横に振って)ううん。おにいちゃんには大切な使命があるんでしょ?......大丈夫だよ。こうしてたまに帰ってきてくれるだけで.....

そうか…(ぼそっ)確かに、たまにしか会わない方がいいのかも…

(むっ)そんなんじゃないよ。......私がいる事でおにいちゃんの重荷にしてるなら.....私辛いもん。

い、いや、(あせあせ)そういうことじゃなくてさ…。ずっといっしょにいると、我慢できなくなりそうだから…

え?我慢......って?

………………。(もっと強く、抱きしめる)

おにい.....ちゃん?

ん?どうした…ぅわあ!(あわてて離れる)ご、ごめん、つい…

.....う、ううん.....(ドキドキ) でも....やっぱり変だよね.....? おにいちゃんが間近に来ただけでこんなにドキドキするなんて.....

(ぎゅっと抱きしめて)ほら…こんなふうにさ。我慢できなくなるよ…?

おにいちゃん.....それって、私をおにいちゃんの妹じゃなくて、一人の女の子として見てくれているって事?

……なあ、実はボクたち本当の兄妹じゃないって…言ったら、どうする?

......だったらおにいちゃんのお嫁さんにしてもらおうかな..... なんてね。あははっ

(まじめな顔で)ほんとにそう思う…?

(ドキ).......うん.....おにいちゃんさえ良かったら......(ターニアもぎゅっと抱きしめ)

ターニアっ…!(ぎゅっ)

あっ.....おにいちゃん......っ!

実は…しばらく旅してて、なんとなくわかったんだよ。ボクはほんとはこの村の人間じゃなくて…

え....っ? いきなりどうしたの?

いや、いきなりじゃなくて…最近分かってきたことなんだ。突拍子も無い事かもしれないけど…

え?........じゃあおにいちゃんと私は本当の兄妹じゃないって言うの?

……うん。

......本当に?

ああ。多分…というか、話すと長くなるんだけどこの世界そのものが…ああもうそんなことどうでもいいや。

......そう言えば私も時々夢を見るんだ.....私とおにいちゃんは本当の兄妹じゃなくて、実はおにいちゃんは王子様なの。

!…なんだ、ターニアも知ってたんだ…本当のこと……

え?(汗) .....い、いやあれはただの私の夢だ....って思っていたんだけど......まさか本当....?

(うなずいて)…でも…ボクにもわからないよ。どっちが本当でどっちが幻なのか…

.......でも....もしかしたらそんな事はどうでもいいのかも.......

そうだね…(両手で頬を包んで顔を上げさせて見つめ合う)

.....うん。そうだよ.....おにいちゃんが私の本当のおにいちゃんでもそうで無くったって.......その.....わ、私はおにいちゃんの事が好きだから.....(かああっと真っ赤になる)

ターニア…ボクだって……(すいよせられるように、キスする)

ん.....おにいちゃん.....(そのまま身を預ける)

んんっ…はあ……ターニア…好きだよ…

おにいちゃん.....私も......好き。.....多分これが私の本音なんだ。ランドさんの求婚を断ってこうしておにいちゃんをずっと待っている私の....

ボクも…ランドはいい奴だって思ってても、なんだか許せない気がしてたのは……

......うん。おにいちゃん......

な…いっしょに、行かないか?きっと仲間のみんなも歓迎してくれるよ。

え......?おにいちゃん.....?(顔を上げる)

いっしょに旅に出ればすっといっしょにいられるし、ここにいたらまたランドの奴がちょっかいかけてくるし、ひとりで待たせるのもかわいそうだし…

......おにいちゃん....嬉しい.....(ぎゅっと抱きしめる) .....でもね、やっぱり私.....ここで待ってる。私だと足手まといにしかならないから.......

そうか…やっぱりそう言うと思ったよ。はぁ…

......大丈夫だよ。おにいちゃんの気持ちが分かったから.....だから私は待っていられる......全てが終わったらきっと私の元に帰ってきてくれるって.....それだけで。

ああ……ありがとう。きっと帰ってくるよ。すべてが終わったら…

......約束、だよ?(上目遣いに)

うん。約束するよ。(おでこにチュッ)

ありがとう.....きっと、待っているから。浮気なんてしちゃダメだよ?(くすくすっ)

ははははっ、そんなことするわけないじゃ…(一瞬バーバラが頭をよぎる)…ないよ。うん。

(ぴしっ).....今、一瞬他の女性の事が頭に浮かばなかった?おにいちゃん?(じ〜っ)

うっ……心配ならやっぱりついてくる?

.......ホントにそうしよっかなぁ....何かおにいちゃん優柔不断な所あるし......(ぼそっ)

そ、そうかなあ…そういえば、今まではターニアがそばにいていろいろ決めてくれてたもんなあ。

はぁ.....何かホントに心配になってきた.....(ため息) .....でもやっぱり私は付いて行っちゃダメだよね。おにいちゃんの為にも。うん。(無理に作った笑顔で)

…ごめんよターニア。大丈夫だよ、ボクはいつでもお前のことを想っているから…。

私......信じてるから。 だから....だから私も笑顔で言うね、「いってらっしゃい」って。

うん。「いってくるよ」……。はっ、そういえばごはんの支度してたんじゃないか?

え.....きゃああっ!(慌てて台所の方を向くがもう遅い) ......あやや(汗)。

あっはっはっは……今日はやっぱり外に食べにいこうか?

でも.....せっかくおにいちゃんに......

ハッサン:(がんがんがん)おぉい、ボッツ〜!やっぱり泊めろや!この村、宿屋がねーじゃねぇかー!!

…う、ハッサン…

あ.....ちょっと出てくるね.....は〜い。(扉を開ける)

ハッサン!なんだよ〜、兄妹みずいらずにしてくれるって言ったじゃないか〜!

ま、まぁまぁ.....おにいちゃんそう言わないで.....(なだめなだめ) 確かにこの村って宿屋が無いんだから。 ハッサンさん、うちで良かったらどうぞ(にこっ)。

バーバラ:じゃあお邪魔しまーっす!

え?(汗)

ミレーユ:ハッサン、やっぱり全員でおしかけるのはまずかったんじゃないかしら…

ま、まぁみなさんお困りでしょうし....あははははは(引きつった笑い)

ハッサン:(つんつん)へへへ、なかなかかわいい妹さんじゃねーか。おまえと全然似てねーな〜

ふんっ、お、大きなお世話だよっ。…でも、そんなに似てないか?

ハッサン:……?何真剣になってんだ?

べ、別にただなんとなく…だよっ(少し焦る)。

ハッサン:まあいいや。それより飯食わしてくれ。

…相変わらず遠慮を知らないな、ハッサン。

ま、まあまあ(^^;)......え〜っと.....今ちょうど準備していた所........(くるっと台所を向いて) .....あ(汗)。

バーバラ:ねえ、なんか焦げ臭くない?

わ〜っ! 火を止めてないじゃないか!(慌てて駈けていく)

バーバラ:きゃはははははっ!ドジねえ。

(慌てて火を消して)はぁ.....はぁ....はぁ......あ、危なかった....(汗) あやや.....でももうお台所使い物にならない.....かも(汗)。

あー、…っていうことで、実は今外に食べに行こうかと思ってたんだけどー…(汗)

(しゅんっ) 仕方ないね.....おにいちゃんと私だけならともかく.....みなさん大勢だし

バーバラ:それがいいわね。帰ってきたらみんなでお掃除しようよ。

ゴメンなさい......(ぺこりと頭を下げる)

ターニアが謝らなくてもいいよ。ボクも悪かったんだし…

ハッサン:ふーん、やっぱ仲良いんだな、おめーら(腕組みしてうんうんと頷く)。

なっ、何納得してんだよ?!そんなんじゃないって!あ、いや、そんなんだけど、えと、その、うわぁあぁああああ

ミレーユ:うん。本当に理想的な兄妹だわ。.....羨ましいくらいに。

バーバラ:(首をひねりつつ)けどなんかあやしいわねー…?

(ぎくっ)そ、そそそそんな事ないさ、なぁターニア?

そ、そそそそそうよねおにいちゃん。だから安心してね、バーバラさん。

バーバラ:…(しばらくじ〜っと見据えて)まあ、いっか。そう言うことにしておいてあげましょう。というわけで酒場にレッツゴー!

ターニア…(少し気まずそうに見る)

(にこっと笑って) 行こっ、おにいちゃん♪

うん!(無意識に手をつないてらんらんらん♪)

おわじ。そしてミレーヌ×バーバラの話に続く

 

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