い出のお菓子 〜続・お茶の心


作者「ふう.....やっぱ紅茶はいいね......この香りが僕の荒んだ心を癒してくれる......(ふう)」
メルウィン「コーヒーはもうお止めになったんですか?」
作者「別にいつもモカばっか飲んでいるわけじゃないって(汗)。」
メルウィン「そうですか.....あはは、私はてっきりコーヒーをブラックで飲むのを諦められたのかと(ぽりぽり)。もしそうなら「何時までも意地を張らないでいつものようになさればいいのに」ってお声を掛けようかと思っていたのですが.....」
作者「.......」
メルウィン「......あれ?どうかなさいましたか?」
作者「......別に。おかわり.......」
メルウィン「かしこまりましたぁ♪(ぱたぱた)」
作者「(メルウィンの後ろ姿を見ながら)......悪かったな......結局飲めなくて......(しくしくしくしく)」ー

メルウィン「それで、約5ヶ月ぶりの談話室の更新ですが、本日はどの様なお話を?」
作者「5ヶ月に思いっきり力を込めなくてよろしい(汗)。......しょうがないやん。HP二つも管理してると......」
メルウィン「どちらかが犠牲になると。」
作者「.....マズイな(汗)。優先順変えないと....せっかく有料サーバーに引っ越したのに......」
メルウィン「うんうん。頑張って下さいね。旦那様☆」
作者「でも考えてみたら頑張れ.....っていうのも意外と無責任な台詞だよなぁ......具体的にどうするべきなのか言わなくても適当にその一言言うだけで激励になるんだもん。」
メルウィン「?何かおっしゃいました?」
作者「ん。いいや。別に。んで、今日はこの前のお茶の話の続き。今回は茶道部時代に特に印象に残った和菓子を当時の茶道無事代の思い出を交えて紹介しようかと......」
メルウィン「......それはいいですけど......そういうお話していたら恋しくなりませんか?(^^;)」
作者「ゆーか今回のは何処でも手に入るってレベルじゃ無いから諦めついてる。別にここじゃ無くても実家に帰っても簡単には手に入らないから。」
メルウィン「ほう。」
作者「とりあえずうちの茶道部ってさ、部員数が多い年でも20人そこそこ(いつも顔出してくるのは精々10人程度)っていう規模が小さなクラブの割にはお菓子とかお道具とか良い物使ってたんだよね。お菓子とかも毎回ちゃんと御菓子屋さんに特別オーダーしてたし。」
メルウィン「学生の分際で.....って突っ込みが来そうですね(^^;)」
作者「しかも別に伝統も由緒もそんなにあるクラブじゃ無い.....事もなかったかな。ある意味だと......」
メルウィン「はい?」
作者「いや、なんでもない。.....んなもんだからさ、元々味とか食に関して大して興味の無かった俺でも和菓子に関しては流石に舌が肥えちゃって.....」
メルウィン「スーパーとかで買ってきた和菓子とか食べられたら「こんなもんが食えるかぁーー!(がっしゃーん)」状態ですか?(^^)」
作者「いや、そこまではいかないけどさ(汗)。」
メルウィン「......となるとこっちに来られてからは辛かったでしょう?お世辞にも美味しいと思えるお菓子なんてよっぽどの高級品でも無い限り殆ど見あたりませんから.....」
作者「ゆーか最早不味いお菓子に食べ慣れて舌が麻痺状態になってる....(汗) ....ってまぁ話題が逸れそうなので本題に戻るとして、まず最初の一品は毎年夏に貰っていたそば饅頭だな。」
メルウィン「ほほう。定番のお饅頭ですね。シンプル・イズ・ベストですか?」
作者「まあね。でもこれは只のそば饅頭じゃなくて実はお家元から直々に頂いていた特別製なんだよ(^^)。だからそこらで売っているのとはちょっと訳が違うっていうか。」
メルウィン「それはまた曰く付きな.....(^^;) でもどうして?」
作者「......実は俺が一回生の頃、つまり茶道部に入部した年の夏にうちの茶道部にお家元がお越し下さったんだよ。これが。」
メルウィン「はぁ?そうなん....ですか?(汗)」
作者「まぁ色々事情もあったみたいでさ。それで、その時に我々茶道部が家元にお土産として色々頂いたんだけど、このそば饅頭はその時頂いた物の一つなんだよん。」
メルウィン「茶道を始められた年にいきなりお家元ですか?(苦笑) 大変でしたでしょう?」
作者「まったく.....お陰で始めたばかりで右も左も分からないってのに先輩方はみんなそっちの準備が忙しくて全然お手前教えてくれないわ、もう初心者って言うのを無視してこき使われまくるわ夏休みは3週間減るわでもう......」
メルウィン「あはは(^^;)」
作者「まぁでも学生には過ぎた栄誉だった.....のかもな。よく分からないけど。んで、そのそば饅頭がもう滅茶苦茶美味しくて、流石家元からのお土産だってみんなで感激してたんだよ。」
メルウィン「具体的には?」
作者「なんて言うか甘さ加減が絶妙なんだよ。甘すぎないし物足りなくもないっていうか。まさにお茶うけに最適って感じで。毎年一箱位頂いていたけどあっという間に無くなってしまうんだな。これが。」
メルウィン「ほう.....で、頂いた物は他に何があったんですか?」
作者「まぁはっきり言ってこのそば饅頭は他の物に比べたら只のおまけに過ぎないんだけどさ。他には家元直筆の掛け軸やお手製のお茶杓とかお道具を色々頂いたんだよん。特に軸と茶杓は金銭的価値に換算しても洒落にならないものがあるだろうなぁ(汗)。」
メルウィン「......それはまた.....何か冗談みたいなお話ですねぇ.....(^^;)」
作者「.....でも一番の土産は家元をお招きして直接来ていただいたっていう実績.....らしい。ゆーかうちの先生それで家元から教授の免許頂いたしな。」
メルウィン「はぁ...何か凄いお話ですね.....でも、お饅頭頂いていたのは毎年っておっしゃってましたけど毎年送られて来たんですか?」
作者「いや、それがな......この時の事がきっかけで、現家元の同期の桜の方達が「ほうと会(漢字忘れた^^;)」っていう会を作っていて、そのメンバーの人達にうちが気に入って頂いたらしく、それから毎年夏にお茶飲みに来るって宣われてさ(汗)。何で毎年お招きする羽目に相成ったって訳。まぁ流石に家元自身はお越しにならなかったけど、毎年家元からその時にこのお饅頭をお土産として頂いていたんだよ。」
メルウィン「ほほう。凄いじゃありませんかぁ(にこにこ)。」
作者「いや、確かにそう言う形で家元と縁を持てたっていうのはいいんだけどさ、これで年間行事が一つ強制的に増えたって訳で(汗)。トドメにこれで茶道部員の夏休みが確実に2週間は減ることになったし。」
メルウィン「うわー(汗) それはまた......」
作者「ま、身に余る栄誉を受けすぎるのも考え物ってこったね。」
メルウィン「栄誉に付随する義務の負担が大きすぎですね(汗)。」

作者「んで、次は4回生の卒論提出後にお世話になった先輩や先生方への謝恩、並びに後輩達への激励の意味を込めて初釜やった時に食べた花びら餅。この時初めて食べたんだけどね。」
メルウィン「どんなお菓子なんです?」
作者「お気に入りにもある通り、味噌あんでくるんだ餅に甘柔らかく煮たごぼうを通したお餅の事。元々は宮廷行事の際に使われたとか何とかうちの先生が言っていた様な気がするけど確証無し。ちなみにごぼうは鮎を表しているらしい。まぁここら辺から宮廷っていうイメージが結びつくけどさ。」
メルウィン「ご、ごぼう.....ですか?(汗)」
作者「まあね。確かに最初は食べるの勇気いるんだけどさ(^^;)。でもこれが美味しかった。本当に柔らかく煮られていてボリボリ感や違和感は一切無し。あれはびっくりしたねぇ。」
メルウィン「きっと途方もない時間をかけてコトコト煮込んだんでしょうねぇ。」
作者「それでな、その後実家に帰ったとき親が実家の近所の御菓子屋さんで買って来たのを食べさせてくれたんだけど......これがボリボリ言うのよ、思いっきり。しかもなかなか噛みきれないし(;´Д`)
メルウィン「うわぁ.....(汗)」
作者「んでさ、親に文句言ったら「これは多少酷いとしても普通はこんなもんだ」って。んで俺が食べたのを説明すると「それは凄い腕のいい職人さんの仕事だ。私も一度食べてみたい」って言われてああ、やっぱりあれは特別製かぁ.....って。」
メルウィン「成る程。やっぱり難しいんですね.......」
作者「だから、花びら餅自体は何処でも食べられるけど本当に美味しいのは結構手に入りにくいかなぁ......って。後俺達のいつもお世話になっていた御菓子屋の職人さんが頑固だけどもの凄く腕のいい人でさ。」
メルウィン「成る程。典型的な職人気質な人ですね(^^)。」
作者「まぁね。学祭の時とかにお茶会用のお菓子注文するのにいつも先生が30かそこらの要望のリスト出してたんだけどいつも完璧に答えてくれてたし(汗)。しかもサンプルはほぼ3日以内に届くという......まぁこういう人が近くにいないとなかなか良いお菓子は食べられないねぇ。」
メルウィン「注文する方も作る方もプロですね。本当に(^^;)。」

作者「さて、んで最後は茶道部時代に食べたお菓子の中のベスト1。もう今までのおいらの人生でもトップレベルに感動したお菓子だったりして。」
メルウィン「な、何か凄そうですね......(汗) どんなお菓子なんですか?」
作者「くず餅。」
メルウィン「へぇ....涼しくて良いですよね。....でもという事は召し上がったのは夏....あたりですか?」
作者「うん。これはね.....3回生、つまり俺が裏千家茶道部の部長だった時の夏休みにさ、うちの連れ(表千家茶道部部長^^;)の妹から夏休みの合宿の時に良かったらつき合って欲しい手紙貰ってさ......」
メルウィン「それで了承されたんですか?」
作者「だって、女子校だぜ?つまり女子高生の団体様。もう是非も無しって感じ♪」
メルウィン「...............」
作者「......こほん。い、いや、も、勿論茶人として一期一会の茶道の精神にのっとってだなぁ......(あせっ)」
メルウィン「はいはい。分かってますよ旦那様.....(はあっ) それで合同練習でもなさる事になったんですか?」
作者「そう、先輩として手取り足取り......じゃ無くてぇ(汗)、彼女たちお茶室が無くて正式なお茶会に参加したこと無いらしいんでさ、俺達が一肌脱ぐ....って変な意味じゃなくて(阿呆)、まぁお茶会にご招待してあげようって事になったんだよ。」
メルウィン「先ほどから旦那様の台詞から何か妖しい邪念を感じるんですけど.....それで、そのくず餅はその時にお出しになった物という事ですか?」
作者「き、気のせいだよ.....あははははは(乾いた笑い) けどまあそう言うこと。んで先生に相談に行ったらさ、夏だから涼しいくず餅がいいって。んで相手は女の子だから可愛くピンク色なんでどう?.....って事になって。」
メルウィン「へぇ.....いいですね。」
作者「んでさっそくその通りにオーダーして、当日お茶室まで届けて貰ったんだけど.....震えたね。その完成度に。」
メルウィン「震えた....って.....(汗)」
作者「半透明のくずに薄いピンク色のあんが内側からぼうっと映し出されていて、これに特性のガラスの菓子器に盛ったらもう最高に綺麗だったんだよ。......しかもさ、そのくず餅、氷で良く冷やした状態で持ってきてくれていてたんだ。」
メルウィン「氷....ですか。手間掛かってますねぇ(感嘆)。」
作者「うん。やっぱり冷蔵庫と氷じゃ違うね。一度味わうとはっきりと差を感じる。まぁ贅沢と言えば贅沢だけどさ。んなもんでさ、味もさることながらその食感も最高なの。試食したとき感動で涙出そうだった。マジで。」
メルウィン「.......成る程。その最高のお菓子で女子高生をメロメロ(死語)にしてしまおうと。」
作者「違うって(^^;) .....でもあれは今まで食べた中でダントツでトップだな......もう二度と食べられないかもしれないけど.......」
メルウィン「いいですね.....羨ましいです......(指をくわえながら)」
作者「まぁその分いつもより少し高かったけど、あれなら一個1000円位出したって全然高くない......ゆーかたかが高校生を招くのには勿体なさ過ぎる逸品ではあったかも。あれ以外にもお干菓子は末富(有名な高級和菓子屋)で用意した奴だったしな......」
メルウィン「やっぱ下心が隠っていたのでは?(苦笑)」
作者「だから違うってば(^^;) ゆーかあのくず餅は予想外に出来よかったんでびっくり。しかも夏休み中でこっちの参加者はほぼ数人の幹部だけだったんでうちの部内でも食べられた人は殆どいなかったのも残念。俺3つか4つ食べちゃったのに......」
メルウィン「それ独り占めというのでは.....(笑)」
作者「あはは。ゆーても届けられる場所にいなきゃ処分するしかない.....と。でもあんな完成度の高いくず餅作ってくれる職人さんなんてそうそうはいないだろうなぁ.....って感じ。氷で完全に冷えきっていたくず餅は食べた瞬間に体ごと冷やしてくれたし。何か喉とか食道通っているたびに「わー冷えてるー」って感じで。あーくそ、やっぱ恋しくなってきた.....」
メルウィン「ほらぁやっぱり.....(^^;)で、結局その最高のおもてなしで誰かを口説き落とされたんですか?」
作者「そりゃあだって.....花の女子高生20人の団体様にこっち数人の女性陣で、男は俺と一緒に来た引率の顧問の先生だけだぜ。しかも夏休み中で人気の少ない学校......これで何もしないなんて男じゃねーよ.....って言いたいけど俺が部長じゃ無かったらねぇ(^^;)。」
メルウィン「あはははは。やはり部長としては軽率な言動は慎まないといけませんものね(笑)。」
作者「うん.....しかも「茶道部」だからな。んで向こうが俺達を立派な先輩って尊敬の目で見てくれている訳で.....礼を逸した行動は控えねばならん.....下手したら俺だけじゃなくて茶道部全体に泥を塗ってしまうことになるし......それ以前にあちらの部長は俺の連れの妹だからな。手ぇ出すと奴に何を言われるやら......」
メルウィン「成る程。ご立派ですね、部長さん☆くすくす」
作者「まぁでもそれなりに楽しかったらいいけどさ(^^;) ゆーかお膳立てが整った所でまぁ良くある18禁のギャルゲーみたいな展開にはいかないわな。」

メルウィン「しかし....つまりは旦那様の場合腕の素晴らしい職人さんがお抱えでいらっしゃったからおいしいお菓子に恵まれていたって事ですね?」
作者「ま、そういう事だね。お菓子に掛けた費用の多さもさることながら提供者がいない事にはね。こういうのはもう食べられないだろうなぁ.....はぁ。」
メルウィン「でも....でしたらいざとなったらそのお菓子屋さんへ直接出向かれてご注文すれば手に入るのでは?オーダーメイドだけに完全に同じとは限らないでしょうけど.....」
作者「流石にそこまでグルメでもないしな(^^;)。電話で事前予約して取りに行くとしてもほぼ丸一日かかって、費用も実家から交通費含めると30000円は堅いんでさ(汗)。」

 

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