ームレビュー

「くすり指の教科書」、「くすり指の教科書2」、「恋のフローティングマイン」のゲームレビューです。
ちなみにきまぐれ18禁ゲームレビューで他のアクティブのゲーム(桜の杜、麻雀幻想曲3)もレビューしています。


くすり指の教科書
 実はこのゲームが発売された当時、僕は恋愛系ゲームに興味がない....というより寧ろ嫌っていたんですけど、このゲームの場合ひいきにしているアクティブのゲーム&キャラデザが風上旬氏と来ていたのでガード不可でした(^^;)。「なんでよりによって恋愛ものなんだよ....」ってぶつぶつ言いながら発売日に買った覚えがあります(わら)。
 が買って帰ってプレイしてみて一転。クリア後には「恋愛系ゲームも悪くないなぁ」と言い出す始末(爆)。風上氏のCGもさることながらぱか氏のシナリオが特に効きました。何て言うかベタベタのシリアスの純愛っていうより(そういう展開もあったけど)ラブコメ色が強く、又氏のシナリオの特徴じゃないかと思うんですけどすごくアットホームな雰囲気があってプレイしていて幸せな気分になれました。始めてからクリアするまで「何かいいなぁこういうの....」って呟きながら遊んでいた記憶があります。
 後その要因としてBGMが絶品でした。当時FMタウンズ版でプレイしたので音源は貧弱(FM音源)でしたけどもう泣ける揃いっていうか。特に俊夫の部屋BGMが何かせつなさ炸裂って感じで好きでしたね。
 当時不満点は特に感じませんでした。確かにシナリオが短め(ゆーか短いのはマジで10分そこそこで終わる^^;)ですけどまぁシナリオが短いのはこのメーカーとしては昔からだし(いいのか?)、元々このゲームって全部のシナリオをプレイするのを前提していたので中だるみを感じない分ある意味ちょうどよかったのかも。完全コンプリートにかかった時間は6時間程度だからトータルで考えたらこんなものですね(当時としては)。
 ちなみに不満と言えば不満だったのが主人公の名前変更機能が無かったって事ですね。恋愛系ゲームだけに変更可能でも良かったのでは?
 って事で最初は殆ど不可抗力(爆)で買ったこのゲームですけどプレイした後に「遊んで本当に良かったなぁ」って思えたソフトです。最もこの後「ときメモ」やら「同級生2」やらに手を出して余計な出費を招く羽目になったんデスけど(^^;)。
 あとぱか氏特有(?)のプレーヤーの視点がやっぱり面白いですね。このゲームや桜の杜、学園ボンバーとかって主人公=プレーヤーっていうより主人公の行動を決定する人っていう立場になっているものが多く、例えばある選択肢を選ぶと「げ、やだよ」とか「ふむふむ。君(プレーヤーに対して)はなかなか見る目があるね」とかプレーヤーと会話(漫才かも^^;)しながらストーリーを進めるっていう展開になっていてこれは個人的に大好きです。ちなみに風上氏もこの手法使ってますね。「if2」の「決戦は学校で」で(^^)。

 

くすり指の教科書2
 とりあえず続編って事で大分豪華なスペックになってますね。Windows95専用って事で256色専用、フルボイス、そして主題歌が付いてます。で、この主題歌の「くすり指の約束」がもう最高っデス。出だしの「くすり指に〜祈りを〜こ〜め〜て〜」って部分がもう「くぅ〜〜っ」って感じ...って説明になって無いな(^^;)。というかこのイントロの部分がこの曲の全てですね。このゲームの全てを表現しているっていうか。
 シナリオは前回よりさらにせつなさ炸裂してますね。前作も「恋愛は楽しい事ばかりじゃない」っていうテーマが見え隠れしていましたけど今回は更に顕著になってます。特に本当は自分が彼女の事好きなのに彼女に好きな人がいる(俊夫の事)為に協力者になって必死で俊夫を雛とつき合うように説得しようとする雛シナリオは何とも言えないやるせなさがありますけど....ただこの場合相手が俊夫だったのはちとまずかった様な(^^;)。終盤で俊夫は雛に諦めてもらうために「自分は彼女がいるから」って嘘ついたって展開になりますけど、これ前作遊んだ人には実は俊夫は嘘付いていないってのがバレバレだし(^^;)。初プレイで既にネタバレ状態になってます(汗)。
 後冬編で俊夫の彼女(前作のヒロインの4人がランダムで出る)が登場したのは嬉しかったですね。しかも声まで付いて(^^)。ただ謎の美少女が出てこないのが残念といえば残念ですが(笑)。1/256の確立で出るって噂ありましたけど本当にやったら面白かったのに(爆)。
 それと前作で個人的に絶賛していたBGMですが今回も完璧ですね。特にあゆみちゃんのテーマは泣けます。それと今回から入った音声もいい感じデス。特に弥子の声が可愛いのなんのって(みさとちゃんと同じ声?)。俊夫もあまり違和感無かったので安心しました(^^)。
 で、不満点なんですけど、シナリオ面でちらほら。まずストーリー分岐が少なすぎるって事。ゲームシステム自体はそれほど悪いとは思いませんけど、ゲームの最初(春)で相手のキャラが確定したら後はストーリー分岐点がたった一つだけってのはちと寂しいデス。分岐とは関係ないコマンド選択肢そのものもほとんど無くて正に見ているだけって感じです。前作は結構無意味に選択肢があって好きだったんですけど.....余計な物を排除しすぎて逆に遊びが無くなったみたいで。
 後は....あ、そうだ。かなり個人的ですけど俊夫が得意の料理の腕を振るう場面が無かったのが最大の不満点ですね(^^)。せっかく「昼ご飯はおいしく食べようサークル」なんてやってるんだから俊夫がみんなに手料理を振る舞う場面一回くらいは欲しかったですねぇ。
 あ、ちなみに不満点でも無いんですが、今回Hシーンがやけにライトになってますけど....もしかして家庭用移植狙いだったのかな.....?
 で、トータルで言うと前作を超えたかと言われると結構疑問が残ったりします。とりあえずその要因としてはマルチシナリオ性が極端に薄れていっているって所ですか。今回はマルチシナリオっていうよりオムニバス形式の電脳小説って感じなんで。前作の選択肢を選ぶときのドキドキ感が感じられないんですね。ゆーか選択肢自体全然少ないし。後はテキストが前作より読んでいて楽しくなかったです。まぁこれは超主観領域ですけど。
 それでも遊んで損は無いゲームたとは思います。迷っているけどどう?と聞かれたら迷わずお奨めすると思います。

追伸:しかしコラムでも書いたんですけど、今回再登場した前作の主人公、俊夫の性格がえらい変わっているんですよね。あの優柔不断男がなぜあそこまで強引な性格になっている???

 

恋のフローティングマイン
 毎年一本くらいのペースで出ている風上作品ですけど、恋愛もの第3弾はくすり指じゃ無くて別のシリーズ出てきましたね。でゲームシステムもがらりと変わって、学園生活シュミレート....というか身も蓋もない表現すればあのエルフの「下級生」みたいなシステムになってます(わは)。要するに毎週目当ての女の子と会ってデートして...って感じで。あ、ちなみにCGはフルカラーになりましたので今までと比べて全然綺麗です。後セーブポイントがいつもより倍に増えているのがありがたいデスね。
 でまぁ一番気になっていたのはシナリオで、今回のシナリオはぱか氏じゃ無いんですね。でまぁ正直不安だったんですけど思っていたより良く出来ていたと思います。くすり指の欠点だったシナリオの短さも解消されていて1プレイが結構長く遊べる様になってますし(その代わりマルチシナリオじゃ無くなったけど)、何より相変わらず「遊んでいて幸せな気分になれる」シナリオなんで文句は無いです。渚先生シナリオとかかなりヘビーでしたがまぁ結局はハッピーエンドだし。主人公の良太郎もなかなかいい味出していましたね。アクティブのゲームでは結構珍しいタイプですし。
 後BGMの出来が相変わらずいい出来ですね。特に各キャラのテーマがすごくキャラのイメージとマッチしていて。ちなみにBGMに関しては「くすり指」の正常進化って感じでした。欲を言えばもう少し曲数欲しかったですけど一曲毎のクオリティが高いのでこちらも不満は無いです。音声に関しても相変わらずキャスティング・演技共に良いですね。特に綾香と渚先生がかなりいい感じです。
 不満点ですが、とりあえずはプレイ時間が結構長くなったのは良いんですけど、単純作業に費やされている時間が長いのがちょっと。特にデートとかに行ってもイベント発生の時以外は会話がなんにも無くそのまま終わってしまうのは寂しいです。後休みの日のバイトが好きなだけ休めるというのも何か設定が生きていない様な....とりあえずストーリー上40万は母親に返さなければいけない様なので(^^;)、このゲームの期限までにそれだけ分のバイトをしなければいけないみたいなルールがあった方が良かったと思いますけど。結局全部の週末でバイトさぼっても全然問題無いってのはかえって混乱します。しかし高校3年生の息子にバイトを強要する親って....(汗)
 それとこのゲームのヒロインって弘美を除いてそれぞれ対になっているんですけどあまりそういう絡みが無かったですね。特に綾香と愛美の三角関係イベントが殆ど無かったのが残念な様な個人的にそういうの好きじゃなかったんでそれで良かった様な....(^^;) 某White Albumな展開になっても嫌だしなぁ....(あれは自分には辛すぎ) しかしあの二人って「アヤちゃん」「メグちゃん」って呼び合っているけど何かイケナイ想像してしまうんデスけど(馬鹿^^;)。......うーんいいかもしんない(何がだ?)
 後は社長(唯)シナリオが欲しかったですね(^^;)。隠しキャラでいるかと期待してたんですけど。
 ちなみにこのゲームはやっぱりどことなく「くすり指」な雰囲気を持っていながらもやっぱり「くすり指」とは違いますね(悪い意味じゃ無くて)。今までのくすり指のプレーヤーにそれほど違和感を与えること無く独自の雰囲気にとけ込ませているって感じで。又全体的にかなり丁寧に作られているって印象も受けましたし是非おすすめ....な感じなんですけど、何となく「くすり指」と比べるとインパクト不足ですね。....というかこれと言った特徴に欠けてるって感じもしないでもないです。シナリオもう無難にまとまっているけどインパクト不足であまり強いテーマ性が見えなかったですね。タイトルはかなりインパクトあったんだけど....(^^;) 何かあと一つだけ調味料が欲しかった....って感じですか?

 

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